GrowthHacker.jp 始めました

Yusuke Takahashi PhD
GrowthHacker jp
Published in
6 min readApr 8, 2016

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GrowthHacker.jp 始めました

今、仕事の関係で、サンフランシスコに来てる。

定期的にベイエリアに来るようになったことや、Open Network Labがきっかけとなってシリコンバレーに沢山の友人ができたことがきっかけで、「グロースハッカー(Growth Hacker)」と呼ばれる人たちともご縁を頂くようになった。

そして、知れば知るほど、グロースハッカーという人たちや、その職業、「グロースハック(Growth Hacks)」という考え方や営みにすごく興味を持つようになった。

Growth Hackerとは何か?

そうした中で、寄稿をさせて頂いているTechCrunch Japanに、TwitterやFacebookのユーザー獲得チームを率いたAndy Johns(@ibringtraffic)や、こちらでご縁のあるVoxerのユーザ獲得担当バイスプレジデントであるGustaf Alströmer(@gustaf)らの経験を、紹介させて頂いた。

Growth Hackerは、2010年7月26日にSean Ellis(@seanellis)が彼のブログである”Startup Marketing Blog”の記事”Find a Growth Hacker for Your Startup“の中で提唱したのが最初と言われている。ここで議論されている定義は、おおよそ次のようなものだ。

  • 共通の特徴は、グロースに対する責任感と、起業家的な達成に対するエネルギーである。
  • 彼らに要求されるのは、グロースを駆動させるためのユニークな方法を見つけ出し、それに加えて、他社の成功事例もテストをして取り入れながら、それをさらに進化させることのできるクリエイティビティである。
  • 有能なグロースハッカーとなるには、社内と他社がやっているようなアイディアを優先順位付け、アイディアを検証し、そして、充分に分析をしながら検証したどのグロースの方法を継続して、どれを辞めるのか、というプロセスを自ら鍛錬する必要がある。
  • このプロセスが早く繰り返されるほど、彼らはスケール可能で、繰り返し可能なグロースの方法を見つけることができるようだ。

その後、今年になって、04月27日に起業家でありブロガーとしても有名なAndrew Chen(@andrewchen)が”Growth Hacker is the new VP Marketing“というタイトルの記事で紹介したのをきっかけに、一つの複合的なスキルや職種、人材要件のような形で、概念として形成されつつある。

  • グロースハッカーは新しい形のマーケティング・バイスプレジデントである。

もちろん、これまでのいわゆるプロダクトマネージャーという職種とどう違うのかとか、マーケティングでもこれらのことを実践すると言った議論は続いている。それでも、時代の要求が代わり、テクノロジーが進化していく中で、マーケターの新しい一つのあり方を説明するのには、「グロースハッカー」という名称は、とても分かりやいのではないかと思う。実際に、主に米国では、この名称を使った沢山の求人情報が公開されている。

日本では?

日本では、この概念はまだなじみの薄いものだが、少しずつではあるが認知されるようになってきた。

  • Six Apart代表取締役の関信浩さん(@nseki)が参加されたカンファレンスのレポート(5月25日のブログ記事)内で、Ron Conwayがその重要性を語っていたと紹介されていたり、
  • Open Network Labが、今年の7月26日にQuoraの”ユーザー獲得チーム”に所属し、Facebookでも立ち上げ初期のユーザー数を5億人まで拡大したAndy Johnsを招待してイベントを実施し、「ユーザーの獲得と継続という視点から”データとテクノロジーに特化したプロダクト開発”を行うハッカー」として紹介していたり、さらに、
  • 百式の田口元さん(@taguchi)が今年の7月31日にIDEA*IDEAで「次の流行り言葉は『Growth Hacker』っぽいのでちょっと調べてみた」としてご紹介されていたり、
  • そして、こうした流れを受けて、ユーザ獲得をハックするという考え方に着いて、ベイエリアのグロース・ハッカーの友人達の話を交えながら、「ユーザ獲得をハックする」というタイトルで、TechCrunch Japanにて紹介をさせて頂いた。

けれど、僕がベイエリアにいて感じる、グロースハッカーに対する認知度の高さや事例の豊富さに較べると、日本にはまだ言語の壁もあってか、あまり多くが伝わっていないように思っている。

GrowthHacker.jp を始めます

そこで、もっとこうした新しくて、かつ、本質的なこのグロースハッカーという人たちについて、日本語で紹介したいと思った。

それは、日本においても重要な考え方であるからだ。

まだ確固たる定義が定まっていない概念でもあるので、彼らの言葉や経験、実践例を紹介しながら、そのあるべき姿を探っていければと思う。

そして同時に、日本においてグロースハックを実践する際のあり方についても、グロースハッカーと名付けずに同様の実践をしてきているエンジニアやマーケターが沢山いるのを知っているので、彼らのこともここで紹介していければと思っている。

ちなみに、「GrowthHacker.jp」という名称は、「グロースハッカー」や「グロースハック」についての情報を日本語でいち早く、かつ、整理してご紹介、議論したいという思いと、優れた実践例やスキル、知識、それぞれのグロースハッカーのクリエイティビティが優れたグロースハッキングを産んでいるということからグロースハッカーのついて主に「人」という側面から議論をしていくのが良いのではないかと思っていること、さらには、「ハッカー(hacker)」という言葉の持つ日本語でのネガティブなイメージを払拭し、「クリエイティブに課題解決をする人」というポジティブな意味の浸透を願っているからだ。

グロースハッカーについての意見やフィードバックあるいはご存知の事例などがあったらこの記事のコメント欄かtwitter(@aerodynamics)、yt [at] growthhacker.jp まで頂けましたら幸いです。

高橋雄介

Originally published at growthhacker.jp.

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Entrepreneur, Computer Scientist, Cycle Road Racer, Beer Lover, A Proud Son of My Parents, Husband, Father, Trail Runner (**new**)